行って良かった月蝕
今日は月蝕歌劇団の『月蝕版・ベルサイユのばら G線上のアリア』を観に、千本桜ホールに観に行く。
当初は、経済的事情で行くのを止めるつもりでいたのだが、行かなければならないと決心させられることがあり、急遽、行くことにした
今回、題名に『ベルサイユのばら』と出ているが、フランス革命を題材にしていて、同名の漫画を舞台化したものではない。
最後を迎えようとしていた老婆まつえはある秘薬の力で女子高生に戻る。
そして、その秘薬を手に入れるためフランス革命の主要人物のサン・ジュストとロベスピエールは時空を超え、まつえをフランス革命の時代に連れてくる。
物語はフランス革命が行われようと進んでいくが、いきなり、島村抱月と松井須磨子が登場する。
そして、物語は須磨子に夫の抱月を取られた妻が絡み、愛憎うずまく物語に変わるのであった。
架空の現代人が登場し、フランス革命という実在の歴史の出来事にリンクするならまだしも、その上、島村抱月と松井須磨子という実在の人物がリンクする。
物語として整理しづらいものを、見事、一本のドラマに仕上げ、かつエンターティメント性もあるという風に仕上げているという高取英の凄さ。
そんな奇想天外なドラマを見せつつも、まつえとサン・ジュストの悲恋、抱月を愛するがゆえに憎み物語の悲劇を作ってしまった妻の悲しさ。
今回も月蝕歌劇団という劇団の何が起きるかわからい世界を大いに楽しませてくれた。
そして、出演者も、サン・ジュストを演じ物語の核をしっかりと支えた倉敷あみの存在感がいい。
もう彼女が出演しているだけで月蝕の舞台に安定さをかんじさせてくれるものがあった。
それと、今回のヒロインのまつえを演じた岬花音菜も印象的であった。
姿が女子高生だが思考は年寄なのでそのギャップで笑いを起こしつつも、シリアスな所では引き締めた芝居を見せてくれた。
また、事件の真の主犯である抱月の妻を演じた、小椋麗華の愛と憎しみ、悲しみを抱えた存在感も忘れることができなかった。
最初に書いたように、今回は月蝕歌劇団をパスする予定であったが、時間を作って良かったである。
次は、紀伊国屋ホールで上演されたあの名作の登場である。
まだまだ月蝕歌劇団は面白くなる。